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Do you believe in the magic of make-believe ?

ユートロニカのこちら側

ユートロニカのこちら側 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

ユートロニカのこちら側 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

第 3 回ハヤカワ SF コンテスト受賞作の連作短編。著者は新人でインタビューによると 3 つ目に書き上げた小説だということだが、これがなかなか面白かった。まず文章表現がこなれており読みやすい。また題材の選び方も良い。現代技術の延長に訪れるかもしれない監視社会/安全社会と、情報銀行といった概念は、現代に生きる人々のリアルな肌感を反映していると思う。登場するガジェットはありきたりなものかもしれないが、細かなところまで上手く整理されており納得感のある世界観を描出できている。この点では新人離れしている印象を受けた。一方で課題になってくるのはカタルシスの弱さ。これは作品の中に描かれる「闘争」が余りにも希薄に感じるからだろう。後半に出てくる登場人物たちの闘争は如何にも杓子定規で表面的なものに見えた。前半の作品はやや冗長だったのでこれを削り、最後の章に一つ盛り上げどころがあるとずっと違った印象の作品になっただろうと思う。

2017/04/18

最近営業企画が得意な人と仕事をすることが多いのだけど、彼と話していて自分に足りないものに気付く。

自分自身は割と業務の幅が広くて、本丸のエンジニアリングからプロダクトの企画提案・運用・マネジメントなどもやっているのだけど、未だに契約関連のような法務周りはさっぱり。まぁそれは良いとして、一番彼にあって自分にないなと感じたのは「ワクワク感」だと思った。自分もエンジニアとしては比較的プロダクトのことを考えて提案できる方だと思っているのだけど、まだ何か足りない気がしていたのだが、どうもその理由は「ワクワク感」にあるのではないかと思ったのが昨日。エンジニアやデザイナーというのはどうしても理詰めで考えてしまうのだけど、彼などはそういう論理的な細かい面はすっ飛ばして、とにかく「自分がどれだけワクワク出来るか」「自分も顧客(ユーザー)も楽しいと思えるか」を優先しているように見える。

プロダクトデザイナーなどと話していると「凄いなぁ」と思う反面、何か不足しているものを感じていたのだけど、それもこの「ワクワク感」な気がする。この感覚は社長と話しているときにもあるもので、社長と冒頭の彼に共通していて他の人にないものは正にこの「ワクワク感」だと思った。ユーザーの声を聞くのは大事だが、ユーザーの声を聞くよりも、まず自分がワクワク出来るものかを考えないといけない。

2017/03/31

社長と話していたのだけど最近エラい人と話すときに軽く愚痴ってしまうことが多いなぁと反省。事業をつくるときは前向きに、そして誰よりも自分が当事者になってユーザーのことを考えないといけない。長期的にはビジョンが大事だ。それは本当に誰かの役に立つのか、生活を変えるものなのか。

劇場版 SAO オーディナル・スケール

友達と鑑賞してきたが意外と面白かった。後半の展開は論理的には完全に破綻しているように感じたし、いかにもアニメという感じでステレオタイプな──特に女性キャラクタの──表現には辟易とするけれど、そこを除けばテンポも良く作画も迫力があって面白かったと思う。AR の使い方にも夢があって良い(ちなみに最近 HoloLens を使う機会があったけれど、劇中のレベルに達するまではあと 2-3 段のブレイクスルーが必要になりそうに感じた)。

それにしても、やっぱりこの男性目線過ぎるキャラクタの造形の気持ち悪さは、この作品の大きな欠点だと思う。人によってはセクハラと受け取っても仕方ないレベル。作品自体は面白いと思うのに勿体無い。

ちなみに何故か 4DX で鑑賞したのだけど、控えめに言って 4DX って酷い体験だなと思いました。

騎士団長殺し

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

僕はそこそこ村上春樹ファンだと思う。若い頃にはさっぱりその面白さは分からなかったけど、大学生の頃に数十冊まとめ読みして、その作品の背後にある「物語」の大きさに惹かれた。賛否両論ある作家ではあるし、いつも同じような小道具を使うのもちょっと食傷気味だったりはするけども、日本人で彼ほど大きな「物語」の枠を描ける作家は少ない。小川洋子ぐらいだと思う。

村上春樹が描く「物語」の大きさは『1Q84』で極致に達したと個人的には思っている。『1Q84』で描かれる世界には、巨大なシステムがあり、意思を以てそれを打ち破ろうとする健全な魂があり、闘争があって愛があった。人と人との、名状しがたい身体性を持った結びつきが、揺るがない大きな「物語」を生み出していた。翻って本作はどうか。

結論から言えば「凡作」であると僕は感じた。このところ挑戦していた三人称の文体は影を潜め、昔ながらの一人称で物語は進む。いつも通り、いつも通り、どこまでも平常運転の村上春樹だった。それが悪いわけではないけれど、『1Q84』からの飛躍を──有り体に言えば彼の記念碑的傑作を期待していた僕には少々残念な出来だった。本作には何か大きなテーマが欠けているように感じる。明確な悪やシステムは出てこず、ひたすらに登場人物の内面との対話が続く。もしかしたら村上春樹は新しいチャレンジを諦めて、これまでの「集大成」を作ろうとしたのかもしれない。少し変化を感じたのはラスト。もしかしたら他者から授けられたのかもしれない、場合によっては理不尽とさえ受け取れるそれを、主人公は「恩寵」と呼ぶ。そのおおらかさ、現実との向き合い方に少しだけこれまでの村上春樹との違いを感じたのだった。

エクス・マキナ

エクス・マキナ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

エクス・マキナ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

Amazon プライムビデオで観た。恐らくグーグルだと思われる企業で働く青年が、山奥で暮らす創業者の別荘に赴く。そこでは世界初の人工知能を備えたロボットが研究開発されており、主人公はチューリング・テストを行うことになる──というのがあらすじ。「エクス・マキナ」というタイトルから既にサスペンスの予感がするが、おおよそ想像通り別荘では事件が起きることになる。登場人物はほぼ 4 人しかおらず、舞台は人里離れた山奥の美しい別荘。人間 2 人・AI 2 人というミニマムな舞台設定が、否応無く緊張感を高めてくれる。

映像も美しい。ロボットのデザインもさることながら、別荘とその付近の自然が大変魅力的で目を奪われる。あとで調べたらこれはノルウェー北西部のフィヨルド地域だそうで、なんとホテルとして営業しているそうだ(箱はともかく調度品に関しては映画の方が断然美しいですね)。俄然フィヨルドに行きたくなった。

さて全体としては決して悪くない出来だし楽しく観れたのだが、少しばかり盛り上がりに欠けた気がする。各々の登場人物にもう少し深い関わりが生まれていると、終盤は一層盛り上がっただろう。また、仕事柄か「こんな人工知能はまだ当面は難しいなぁ」と思ってしまい(それ以上に難しいだろうと感じたのはハードウェアだが、そのあたりの設定は多めに見るべきだろう)、今ひとつ乗り切れなかった。

Web 制作者のための UX デザインをはじめる本

Web制作者のためのUXデザインをはじめる本 ユーザビリティ評価からカスタマージャーニーマップまで

Web制作者のためのUXデザインをはじめる本 ユーザビリティ評価からカスタマージャーニーマップまで

  • 作者: 玉飼真一,村上竜介,佐藤哲,太田文明,常盤晋作,株式会社アイ・エム・ジェイ
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2016/11/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Web 制作者向けに UX デザインをどのように始めるかを説いた本。一口に「UX」と言っても、「UX」の概念自体が非常に広く曖昧なため、個々人によって受け止め方が異なる。また、そのような状態であるので、これだけ「UX」が持て囃されている現在においても実はそれを実践出来ている組織は少ない。多くのデザイナーは世間で取り上げられている「UX」と現実の狭間で苦悩していることだろう。そんな中で「UX」の意味するところを定義し、どのように「UX」を実現する組織を作っていくことが出来るのかを具体的に書いているという点で良書だと思う(自分の場合は既にそのようなところにコミットしているデザイナーがいるのでこの点については余りきちんと読んでいない)。

UX デザインとは

「UX 白書」の定義が最も本質的。UX 白書に記された UX の定義には、はっきりと「時間軸」の概念が入り、該当の製品・サービスを使っている時だけでなく、その前後の時間の中にもユーザー体験は拡がっているとされている。

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UX 白書でのポイントは、製品やサービスに触れていない前後の時間や、繰り返し溜まっていく記憶までも含めて UX となったので、より一層製品やサービスはその一要素に過ぎないということがハッキリしたこと。つまり製品やサービスの意思だけで強制的に UX 全体をコントロールするのは難しく、従って製品やサービスは UX に従属せざるを得ない。

構造化シナリオ法

ユーザーの「本質的な欲求」=「ニーズ」をユーザーの「価値」と位置づけ、それを満たすシナリオを 3 段階に分けて考えていくのが構造化シナリオの特徴。

-「価値」のシナリオ:ユーザーの「本質的な欲求」を切り取り、ユーザーの「価値」を導く -「行動」のシナリオ:「価値」のシナリオのシーンを選び、行動のシナリオとして具体化する -「操作」のシナリオ:「行動」のシナリオのタスクを選び、詳細な操作のシナリオを検討する

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「価値」のシナリオを書くためには、新しい製品・サービスを企画する前提で、ユーザーを調査しペルソナを作る。「価値」のシナリオは、そのペルソナの本音や本質的な欲求に注目し、それを実現するための最小限のシナリオのみを記述する。具体的にどんな製品・サービスを利用するかなどのディティールはまだ書かないため、抽象的でシンプルな文章となることが多い。

ユーザー調査

ユーザー調査においては「聴くだけでは本音の部分は殆ど出てこない」ことを認識しておくべき。普通の人は知らず知らずのうちに「その人/相手にとって大事だと思えること・必要だと思えること」を選んでいる。これは殆どの場合は既知であり役に立たないデータである。UX デザインにおけるユーザー調査では「本人ですら大事だと気づいていない本音の部分」をとても大切にする。これを実現するために以下のステップと方法論がある。

  • データ収集:「感情曲線インタビュー」と「弟子入りインタビュー」 ・データ分析:「親和図法」

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カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップの作成は、ユーザー体験を可視化し、ユーザーの行動を俯瞰することで露わになる「製品・サービスの課題」を発見し、新たな企画立案や改善に役立てることが目的。一般的に良く見かけるのは時系列(ステップ)毎にユーザーの「タッチポイント」「行動」「思考」「感情曲線」などを記載したもの。

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