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Do you believe in the magic of make-believe ?

四月になれば彼女は

川村元気 ☆☆ 小説

四月になれば彼女は

四月になれば彼女は

「現代から恋愛が失われている」という問題意識から小説を書いた、というインタビューを読んで少し興味が湧いて読んでみた。文章は読みやすいが決して上手いわけではなく、設定や展開に鼻白む箇所もあったものの、納得できる場面も幾つかあって印象に残った。

「ポートレイトを撮りたいんだ。人の顔を正面から取れるようになりたい」

これは共感した。

わたしは、わたしに会いたかった。あなたのことが好きだった頃のわたしに。 あのまっすぐな気持ちで入られた頃の自分に会いたくて、手紙を書いていたのです。

あの頃にあった切実な想いというのは何だったのかという問いに対する川村元気なりの答えはこれなんだろう。

「わたしの愛」と「あなたの愛」が等しく重なっていたときは、ほんの一瞬。 避けがたく今日の愛から、明日の愛へと変わっていく。けれども、その一瞬を共有できたふたりだけが、愛が変わっていく事に寄り添っていけるのだとわたしは思う。