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Do you believe in the magic of make-believe ?

佐藤オオキのスピード仕事術

佐藤オオキのボツ本 が良かったのでちょっと興味が湧いて読んだ。

読書メモ

「スピードを重視すると不思議なほど仕事の質が高まる」ということを説いている本。

可視化によって「探す手間と時間」をなくす

仕事のメモを取るときによく使うのは無印良品の正方形のブロックメモ。考えついたアイディアをブロックメモに書いてテーブルの上に広げ、グループ化したり優先順位をつけたりということが簡単に出来る。あとはプロジェクト毎のクリアファイルなどに放り込んでおくだけで良い。メモ用紙は小さい方がちょっとした断片的なアイディアを書き留めることが出来て良い。A4 サイズなど大きめのメモになると「全部埋めないといけない」という心理的なハードルが出来てしまう。

間違えても良いから判断は早くする

大切なのは「決める」こと。二択まで絞り込めば、決断のうち 50 % は正しい方を選べるはず。半分は成功すると考えれば悪い確率ではない。仮に判断が間違っていたとしても、決断を早めにすることによってリカバリの時間を確保することも出来る。決断に時間をかけることは間違った決断をするよりも悪影響が大きい

しかし問題なのは沢山の選択肢から選択肢を 2 つに絞ること。選択肢を 2 つに絞る時に何を重視して決めるかというと、「長所が最も大きいもの」で、かつ「方向性が全く異なるもの」はどれかを考える。選択肢には短所と長所があり、2 つの選択肢にも当然それぞれ短所と長所がある。しかし長所が大きい案を選んでいるのだから、少なくとも現状から大きな変化は起きるはず。

「時間をかけるほどアイディアは良くなる」は間違い

アイディアの発想は算数の問題を解くようなもの。1 週間かけて解いても 5 分かけて解いても答えが同じなら 5 分で解いた方が良いに決まっている。プロジェクトで成果を出すためにはアイディアは出来るだけスピーディーに出した方が良い。「仕事に時間をかけることは尊い」「時間をかけた方が良いアイディアを思いつくはずだ」という考えを捨てて「この仕事は時間をかけることによって質が高まるものなのかどうか」を常に意識するのが大事。

アイディアは「思いつくもの」ではなく「考えつく」もの

アイディアはロジカルに考えるもの。課題やゴールを明確にし、最終的にそれを解決するためのアイディアを筋道を立てて考えていく。アイディアの発想法としては

  • 近しいものはないか
  • 応用できる事例はないか

また、課題を出来るだけ細かく分割してから考えるという手もある。プロジェクトで解決すべき課題は多くの場合ひとつではない。しかし、複数の課題を一気に解決する課題を考えるのは難しい。そこで、まず課題を分割し、「ひとつの課題だけを解決するならどうするか」を考える。課題を分割して「部分解」を考えることに徹するとアイディアはグッと出やすくなる。課題を分割するのはスピードにも繋がる。ひとつひとつの課題であれば、隙間時間や短時間で課題を考えやすくなり、一週間程度隙間時間に考え続けることで、結果として網羅的に様々な角度からアイディアを考えられていることがある。

複数の案を出す

様々なアイディアを考えて提案する際、「本当は A 案が絶対に良いと思っているけど、捨て案として B 案も提案しよう」ということはしない。捨て案もなければ「絶対にこれが良い」と思いながらプレゼンをすることもない。これはクライアントと一緒に解決の方向性を検討するため。様々な方向性が考えられるプロジェクトなのに、こちらで「絶対にこれが良いと思います」と提案して進めてしまうと、プロジェクトのメンバーが途中で「もしかしてこんな方向性もあり得たのではないか」と不安に感じてしまうリスクを抱えることになる。そうなった時のやり直しを防ぐためにも、最初に軸を決めてクライアント自身に決断してもらうことが大事。

人を巻き込むにはまず自分が楽しむ

プロジェクトの中で自分が誰よりも楽しそうにしていることが周りを巻き込むことにつながる。「こうなるといいな」という少し先の未来を考え、そのイメージを具体的に持つことが出来れば、ワクワクしてプロジェクトを楽しむことが出来る。アイディアを出した人が楽しそうにしていることで、周囲のメンバーは「もしかしたら何か変化が起きるかもしれない」と前向きになることが出来る。

感想

「スピード思考術」の大枠のところは GTD などや多くの仕事術で言われているところなので余り目立つものではないが、アイディアの発想法やクライアントに対する説得の仕方・決断の仕方など「佐藤オオキ流の仕事のやり方」が興味深かった。中でも幾つかは自分で実践できるものだと思うので、何度か読み返して実践していきたい。