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Do you believe in the magic of make-believe ?

Web 制作者のための UX デザインをはじめる本

ビジネス書 ☆☆ 玉飼真一

Web制作者のためのUXデザインをはじめる本 ユーザビリティ評価からカスタマージャーニーマップまで

Web制作者のためのUXデザインをはじめる本 ユーザビリティ評価からカスタマージャーニーマップまで

  • 作者: 玉飼真一,村上竜介,佐藤哲,太田文明,常盤晋作,株式会社アイ・エム・ジェイ
  • 出版社/メーカー: 翔泳社
  • 発売日: 2016/11/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Web 制作者向けに UX デザインをどのように始めるかを説いた本。一口に「UX」と言っても、「UX」の概念自体が非常に広く曖昧なため、個々人によって受け止め方が異なる。また、そのような状態であるので、これだけ「UX」が持て囃されている現在においても実はそれを実践出来ている組織は少ない。多くのデザイナーは世間で取り上げられている「UX」と現実の狭間で苦悩していることだろう。そんな中で「UX」の意味するところを定義し、どのように「UX」を実現する組織を作っていくことが出来るのかを具体的に書いているという点で良書だと思う(自分の場合は既にそのようなところにコミットしているデザイナーがいるのでこの点については余りきちんと読んでいない)。

UX デザインとは

「UX 白書」の定義が最も本質的。UX 白書に記された UX の定義には、はっきりと「時間軸」の概念が入り、該当の製品・サービスを使っている時だけでなく、その前後の時間の中にもユーザー体験は拡がっているとされている。

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UX 白書でのポイントは、製品やサービスに触れていない前後の時間や、繰り返し溜まっていく記憶までも含めて UX となったので、より一層製品やサービスはその一要素に過ぎないということがハッキリしたこと。つまり製品やサービスの意思だけで強制的に UX 全体をコントロールするのは難しく、従って製品やサービスは UX に従属せざるを得ない。

構造化シナリオ法

ユーザーの「本質的な欲求」=「ニーズ」をユーザーの「価値」と位置づけ、それを満たすシナリオを 3 段階に分けて考えていくのが構造化シナリオの特徴。

-「価値」のシナリオ:ユーザーの「本質的な欲求」を切り取り、ユーザーの「価値」を導く -「行動」のシナリオ:「価値」のシナリオのシーンを選び、行動のシナリオとして具体化する -「操作」のシナリオ:「行動」のシナリオのタスクを選び、詳細な操作のシナリオを検討する

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「価値」のシナリオを書くためには、新しい製品・サービスを企画する前提で、ユーザーを調査しペルソナを作る。「価値」のシナリオは、そのペルソナの本音や本質的な欲求に注目し、それを実現するための最小限のシナリオのみを記述する。具体的にどんな製品・サービスを利用するかなどのディティールはまだ書かないため、抽象的でシンプルな文章となることが多い。

ユーザー調査

ユーザー調査においては「聴くだけでは本音の部分は殆ど出てこない」ことを認識しておくべき。普通の人は知らず知らずのうちに「その人/相手にとって大事だと思えること・必要だと思えること」を選んでいる。これは殆どの場合は既知であり役に立たないデータである。UX デザインにおけるユーザー調査では「本人ですら大事だと気づいていない本音の部分」をとても大切にする。これを実現するために以下のステップと方法論がある。

  • データ収集:「感情曲線インタビュー」と「弟子入りインタビュー」 ・データ分析:「親和図法」

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カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーマップの作成は、ユーザー体験を可視化し、ユーザーの行動を俯瞰することで露わになる「製品・サービスの課題」を発見し、新たな企画立案や改善に役立てることが目的。一般的に良く見かけるのは時系列(ステップ)毎にユーザーの「タッチポイント」「行動」「思考」「感情曲線」などを記載したもの。

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